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趣意書

ジユウ研究所は、「いま、この国に生きる私たちは、どれほど自由か」というひとつの問いからはじまりました。その問いかけには、「いま、私たちが感じる息苦しさの正体は何か」という問題意識が含まれています。

私たちは自由を掲げるこの国に生まれ、一見すると自由を謳歌しています。しかしその一方で、私たちのすぐそばには自由を奪うものがあちこちにひそんでいます。限られた時間やお金といった身近なものだけでなく、社会や公共の利益という大義の下で正当化された数多くのルール、さらには、社会の空気もそれに当たります。

自由を謳歌する気でいても、自由と言い切れない。この二つの現実の間に存在する綻びが、息苦しさの正体に繋がってはいないでしょうか。私たちは、自由とは何か、そしてどれほど自由でいられるか、という問いかけをもっと明示的にしていくべきではないでしょうか。

時代は、かつてなく自由が奪われやすい時代になっています。災害やコロナ禍、様々な安全保障問題。これらは様々なリスクをはらむ一方で、あらぬ形で不安の増長にもつながり自由を奪うきっかけとなります。

また、資本やデジタルの力によって移動は容易になり言論空間は広がりをみせていますが、そのことが必ずしも人々を自由にしているとは限りません。あっという間に広がる常識や世論は時に空気となり、知らぬまに自由を制限しているかもしれません。自由の中に潜む孤独感や無限の広がりを凝視しなければ、いくら自由が広がっても真の自由とはいえないのかもしれません。

私たちは今一度、自由の輪郭を捉え直し、新たな「ジユウ」を考え、それをもたらす個人や社会のあり方を検討してみたいと考えています。そしてそのために、新しいシンクタンク「ジユウ研究所」を設立します。

2025年1月

一般社団法人 ジユウ研究所

代表理事 松尾勉
理事  山下大典
理事  伊澤貴寛