


- 2025.07.07
- 提言
【提言】情報からの自由

ジユウ研究所は、ネットメディアやソーシャルメディアが主流となる社会にあって、私たちの自由は広がっていると同時に新たな脆弱性にもさらされていると考え、この度「情報からの自由」と題する提言を公表しました。
私たちが実施した情報に関するアンケート調査の結果からは情報メディア環境が大きく変化している様子が見られ、こうした変化をきちんと受け止めた上で情報メディアリテラシーのあり方を再考し、私たち一人ひとりが自由への意識をもつことの重要性を提言しています。
<提言本体>
<提言のポイント>
- 情報メディア環境の変化に伴い、私たちの自由は広がっていると同時に新たな脆弱性にもさらされている。
- 自由の安定的な実現には、とりわけ政治や行政などの分野において、多面的に情報が流通し、価値観の違う情報にも触れながら社会的な意思決定を行うことが重要。
- ネットメディアやソーシャルメディアがもたらす画一性や、価値観が同じ人同士でしか信頼が生まれない「信頼のフィルター」が社会分断の根幹になっている。
- こうした環境を認識し、自らの言動とその元となる「情報の確からしさ」との関係を考え、普段接する特定の情報メディアによって私たちの判断が規定されないようメディア分散を意識するとともに、自由と向き合う際の精神的な拠り所を「自己」にも求めることで、「情報からの自由」を実現する。
<アンケート調査結果の概要>
◾️アンケート調査の概要
・インターネット調査会社を活用して実施
・調査日:2024年11月、2025年1月の計2回実施
・調査人数:各調査で1000人ずつ(男女半々、各年代から均等になるように人数を調整)
◾️調査結果のポイント
- とりわけ近年大きな変化の主流になっているのがネット/ソーシャルメディアであり、私たちが行ったアンケート調査によれば今やマスメディア(テレビ/ラジオ、新聞)より活⽤度で上回る結果となった。また、情報の信頼度も両者が拮抗する結果となった。
- 情報源の信頼度を聞いたところ、専⾨家33%、⾏政機関18%、マスメディア 17%、個⼈17%、インフルーエンサー8%、政治家0.7%などといった結果が出ており、これまで信頼されていたと考えられる行政や政治の信頼が失われつつあることが伺えた。
- ソーシャルメディアやネットメディアで情報を得る際に、60%程度の人があまり出典元を気にしていないことが分かった。
- 自由でいるためにソーシャルメディアやネットメディアの活用について「情報メディアリテラシー(メディアごとの性質を理解して適切な情報を得ること)」が重要だと思っている人が約36%で最も多かった。